船に乗って暫く経つと、少年が小さいボートで船に近寄り、バナナやドラゴンフルーツ、ザボンみたいな果物を売りに来る。日本人でこういうものを買う人は少ないだろう。99%の人間は買わないかも知れない。海外では日本人はぼったくられるという考えを持っているから(多くの場合は正しいが)、こういった突然売りに来る人たちから何かを買うことはない。ガイドもカバンを窓際に置くなという。売りに来るだけではなく、カバンを取ったりする場合もあるらしい。そんな危険な連中を世界遺産でもある観光地で野放しにするのはどうかと思うが、それが社会主義国家であるベトナム流なのかも知れない。
日本人は愚かにも、BRICsの次に来るのはベトナムという証券会社の売り文句に従順に資金を提供し、マーケットを混乱させた。ベトナムのような社会主義の国のマーケットが、その他の国と同様に効率的(厳密に言うと効率的に見える)であると信じて、あるいは何も知らないが、とりあえず5年10年すれば儲かるだろうという安易な発想によって、予想以上に資金がベトナムのマーケットに流れ込んだ。受け皿を溢れさせた金は当然にベトナムマーケットをバブル経済の先導役に導くことになる。そもそも規模が小さいベトナムマーケットを中国やブラジル、インドと同じように扱ったセルサイドの人間にも問題はあろうが、もっと問題なのは日本人の無知蒙昧さである。
ベトナムへの証券口座開設ツアーなるものまで存在していた。確かに中国の人件費高騰に伴って、ベトナムへの企業進出等が盛んになっているのは分かるが、それでも日本人にとってベトナムというのは理解しずらい国である。国民性が日本に合うなどという話があるが、それならばタイのほうがずっと合うし、はっきり言ってしまえば汚職にまみれた卑しい国家である(言い過ぎか)。にも関わらず一時的にベトナムのマーケットの時価総額の50%超を日本人が保有していたという。これは当然にベトナムドン高を演出することになるが、今では資金の逆流が生じて、ベトナムの株価は上海市場以上に下落し、さらにベトナムドンは通貨危機の再来とも言われた。
中国的な雰囲気の強さが、特にハノイにはあるように感じる。地理的な問題もあるし、もともと共産勢力に属していたのだから、それもまた当然かも知れない。日本は社会主義国家であると揶揄されることも多いし、当然官僚支配によるそのような弊害があるのはもちろんだが、根っからの共産主義、社会主義国家に比べれば、国民の考えというものは未だマシだろう。そして、当然どこの国でもあるが、観光客から金をとろうとする。日本人が愚かなだけかも知れない。未だに所得水準は日本に比べると10分の1~20分の1程度の国である。国としても貧しすぎる。このような国に投資するかどうかということは、今考えれば当然Noだが、いつか隣国タイを上回るような発展を見せるかも知れない。世界中のマーケットが混乱したおかげで、新興国投資なんて正気の沙汰か、という状態が続いている。日本人の投資家は、株安だけではなく、円高新興国通貨安により二重の地獄を見たという人も多いだろう。
当然内需だけが成長を支えている訳ではないから、輸出が機能していない今ではGDP成長率が劇的に低下してしまう恐れがあるし、中国も57兆円という莫大な金をインフラ整備などの公共事業に投じることでようやく8%を維持するという。しかし新興国の成長が止まった訳ではない。先進国は今後も緩やかにその地位を低下させていくのだろうが、今までの蓄積が何もかも消え去る訳ではない。株価が元に戻ったからと行って、それまでに建設した道路や工場がゴミになるわけではないし、国民に蓄積された人的資源が無駄になるわけでもない。生産性は向上していて、更なる成長への足がかりとなるはずである。5年10年前と株価が同水準であっても、国民は豊かであろう。それは内需があり、更に通貨を強くさせる素地があるということである。日本との比較ではどうか。5年10年前からは後退しているだろう。20年あるいは30年先には日本という平和主義の国家は崩壊し、再度軍国化しているかも知れない。国民が豊かになれば平和になるし、宗教も不要である。貧しくなれば当然にその逆である。これは歴史の示すところであるし、人類が避けることの出来ない性である。
2008年11月17日月曜日
Vietnum38 ~Hanoi 14~
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